店舗の状況を上司や同僚に報告する際、
「つまり、何が言いたいの?」
「結論から言って?」
「その根拠って何?」
と指摘された経験はありませんか?
このような悩みを解消するために"PREP(プレップ)法"という会話モデルは誕生しました。
PREPが身に付くと上司への報告だけでなく、お客様に商品の魅力を「わかりやすく・的確に」伝えることが可能となります。
様々なシーンで活用されるPREPですが、この記事では、店舗担当者が上司への報告時に実践することを目的として、意味とメリットをご紹介します。
PREPとは
PREP法とは、
Point:要点(結論)
Reason:理由(結論に至った経緯)
Example:具体例(理由を理論づけるための根拠・データ・状況)
Point:要点(結論)
の頭文字をとった、伝わりやすい報告の構成を表した会話モデルです。
言葉で説明すると、
「初めに要点(結果)を伝えたうえで、結果に至った理由、理由を理論づけるための根拠を提示し、最後にもう一度要点(結果)を述べる」
といえます。
PREPのメリット
PREPを用いると、上司や同僚への報告がスムーズになります。
その理由は「聞き手にストレスがかからない」「不要なやり取りが減る」「自分の考えを整理する習慣がつく」というメリットがあるためです。
メリット1:聞き手にストレスがかからない
PREPが聞き手にストレスをかけない最大の理由は「先に要点(結論)を伝える」構成だからです。
先に要点を伝えることで、聞き手は「これは何の話なのか」を理解したうえで話を聞くことができるため、文脈を理解するストレスが発生しません。
反対に、結論が見えない報告は聞き手にストレスを与えます。
メリット2:不要なやり取りが減る
PREPで報告を行うと、一度の会話で明確に内容を伝えることができるため「つまりどういうこと?」「もう一回説明して?」といったやり取りが発生しなくなります。
このようなやりとりは聞き手・話し手双方にとって無駄な時間を発生させてしまい、積み重ねることで大きなロスを発生させます。
PREPを使うことで不要なやり取りを減らし、生産的な時間を確保することが可能になります。
メリット3:考えを整理する習慣がつく
PREPを用い説明をするということは、自分の中で「要点を整理し、理由と根拠を明確にする」ことに他なりません。
上司への報告を通じ、自身の考えを論理的に整理する習慣が身に付きます。
PREPを使った報告例
部下が上司へ売上報告をするシーンを例に、PREPを使った会話をみてみましょう。
上司:
先月の売上どうだった?
部下:
【P:結果】
先月1か月の売上は1,000万円で、予算比95%、前年比105%という結果でした。
【R:理由】
購入件数は前年比+110%と増加したものの、客単価が想定より伸び悩んだため予算にあと一歩届きませんでした。
【E:根拠】
客単価減少の理由は、定番のダウンジャケットの入荷が予定より2週間遅れたためです。月前半の客単価が伸び悩み、1か月TOTALで見たときの客単価が想定より10%減少しました。
ダウン入荷後の客単価は想定していた数値を若干上回る推移となっています。
【P:結果】
したがって、先月の売上高は予算比95%、前年比105%という結果でした。
補足として、今月に入り購入件数は先月同様増加傾向にあり、客単価が想定を若干上回っているため、このままの調子でいくと先月分のマイナスを取り返すことができそうです。
上司:
了解。商品のデリバリーについてはMD部に報告し、遅延が発生しないよう注意しておくね。この調子で頑張って。
このように、先月の売上はどうだったという若干曖昧な質問に対してもPREPを用いることで分かりやすい報告ができます。
PREPを上手に使いこなすために必要なこと
ここまでPREPの意味とメリット、具体例を紹介してきましたが、PREPには一つ注意しなければならない点があります。
それは「まずは自店の状況を正確に把握して会話すること」です。
売上高を把握していれば結果を報告することは可能ですが、理由と根拠を説明するには店舗の状況と売上高に関連するKPIをしっかりと把握しておく必要があります。
日頃から売上を構成するKPIを十分に把握し、いつ質問されても的確に報告をすることが出来る準備をしておくことが重要です。
【いつでも的確な報告ができるために】
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さいごに
この記事では店舗の状況を上司や同僚に報告する際に有効なPREPについてご紹介しました。
店舗状況をしっかりと把握し、的確に人に伝えるためのヒントになれば幸いです。